休業と失業はどちらが良いのか?経営者も労働者も判断は難しい!
先日、都内のタクシー会社が600名の解雇を行いました。
600人と聞いて、世間への影響や補償問題も含めて色々な不安を抱えた方も見えられるのではないでしょうか。しかし、この件に関して本当にお互いがしっかりと話合いを行い、共にWIN~WINに一番近い形で納得して出した回答だとしたら、興味がある方も多いと思います。
今回の答えは、単純に経営が厳しいからと言うだけではありません。考え方によっては労働者の事を考えての処置とも見て取る事が出来ます。
今回の発表による流れを考察すると
- 会社都合で解雇
- ハローワークで失業給付金の申請
会社都合の場合は、8日目から失業給付が可能。
振込は5週間後です。 - 再雇用
この様な流れで考察できます。
対応にはメリットとデメリットが当然あります。
失業給付は計算式も公表されているため、一度どの位の金額を貰えるのかを調べて見るのも良いですね。
今回の対応で、見る人から見た場合に良い選択だったのではないかを感じる面と言うのは、
- 勤務が長ければ受給期間も長い。
- 高年齢は基本給も高く、給付金額も高い。
- 再雇用を約束
これが大きなメリットにも感じます。
勤務していた方が年齢も重ね収入自体が高い場合や勤続年数が長かった場合、受給期間も長くなります。更に、会社が再建する事と長期化への対応から目処も立った場合には再雇用と言う事も大きなポイントですね。労働側から見たら、再雇用して貰えるのであればと言う気持ちになるのも頷けます。
失業や解雇
失業や解雇においてのメリットは
- 会社側は賃金を払わなくても良い。
- 労働者側は45〜80%を貰える。
この2つはメリットの部分となります。一方デメリットと言うのが、
- 会社側は本当に労働者が戻って来るのか確信が無い。
- 労働者側は就職活動を行わなければならない。
再就職を同じ企業で行なった場合、再就職手当が貰えない。
この2つはデメリットとなります。
会社は、騒動が落ち着いて事業を再開する時には労働者が必要となります。しかし、大切な労働者が戻ってくるかどうかは分かりません。労働者から見れば、特に地方では仕事を求めて都市に出たりと言う事も考えられます。更には、今回の騒動で仕事自体を見つめ直す方も増えて来ますね。労働者から見ても、就職活動は必要となるため、行なった事がある方は結構手間暇も掛かるものです。同じ会社で再就職を行うと再就職手当も貰えないため注意も必要です。同業で再就職と言う手もありますが、給料の補償はありませんね。
休業
休業する場合は、会社側は休業手当を払わなければなりません。
この場合の休業手当は賃金の60%となります。
企業側は雇用調整助成金の申請が必要となって来ますね。
申請後に計画書を提出した後、1ヶ月から2ヶ月で入金があります。
流れとしては、
- 休業手当を労働者に払う(賃金の60%)
- 雇用調整助成金を申請する。
- 申請が降りると、会社側は休業手当の90%を国から受け取る事が出来る。
と言う流れです。
例えば、
月収30万円の労働者は、休業手当は18万円となります。
助成金は休業手当の90%ですから、16.2万円は助成金として負担して貰えます。
会社が負担する金額は 18万ー16.2万=1万8千円ですね。
助成金を受けて雇用を続ける事のメリットは
- 会社側は雇用を守れる。
- 労働者側は職を失わない。
これはメリットとなりますが、デメリットとしては
- 申請が大変であり、専門の社労士へ依頼する場合は高額
- 入金時期が不明。
- 労基違反をしていると論外
と言うのが会社側のデメリットともなります。労働者側からのデメリットはただの減給と変わりないと言う事ですね。
これからは給料未払も発生するかもしれませんが、給料が未払いとなった場合には、厚生労働省の「未払賃金立替制度」を利用すると言うのも一つの手段です。
休業と失業はどちらが良いのか?経営者も労働者も判断は難しい!はこちら▶▶▶
まとめ
失業と休業、どちらにもメリットとデメリットがあります。
- 休業補償
- 雇用調整助成金
- 失業保険
ここは知って置く事が大切ですね。
あとは各々でしっかり話し合う事です。