マーケティング・ロジック
マーケティング・ロジックとは、商品やサービスをどのように顧客に提供し、競争相手への差別化と最終的にどの様に利益を上げるかについて、一貫した「組織的・科学的な営業」の考え方です。
業績の良い営業部と悪い営業部の違いは、このマーケティング・ロジックが大きく影響しております。
営業組織には必ず
この営業組織を”マーケティング・ロジック”を使い、全員が良い営業マンを目指し底上げ出来れば、十数%ほどの売上が上がりそうな気はしてきませんでしょうか。90%以上の営業組織でおきている”笑えない現象”があります。
売上ポテンシャルの高いお客様ほど、訪問回数が増えて”いない”
もちろん実行している営業マンもいるのですが、営業組織全体としてはそのようになっていないケースが殆どです。訪問先を営業マンの判断に委ねると、売上ポテンシャルの高い競争の激しいお客様は訪問しにくい傾向があり、どんどん遠ざかってしまいます。そして小さな事にうるさい”浮気をしないお客様”にばかり訪問する事となるのです。
例えば、
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何か言いながらでも購入して頂けるお客様
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何も言わなくても購入して頂けるお客様
結局、何も言わなくても購入頂けるお客様へは、必ず購入頂けると言う安心感から時間を割く事が少なくなっていないでしょうか。何か言いながらでも購入して頂けるお客様は、どうしても訪問回数が増えますよね。しかし、何も言わなくても購入頂けるお客様の訪問回数を増やし、時には良い情報や紹介、実績を作る事が出来れば、その実績は自分や会社のブランドとなり、結果的に営業組織での価値は上がると言う事ですね。
しかし、何か言いながらでも購入して頂けるお客様を大切にする気持ちや現象は、決して営業マンが悪いという話ではありません。これは営業組織に正しい戦略がないという問題なのです。
これは、売上を上げる5つの法則で説明させて頂きました。
今回は客数を因数分解していきます。
客数=ターゲット数×商談率×クロージング率
特に法人営業の場合、得意先は決まっている場合が多く、
商談率は”営業の量”に比例し、クロージング率は”営業の質”に比例します。
売上の悪い原因が”量”なのか”質”なのかを知ることで適切な対応が出来るようになります。
お客様が店舗の場合は下記のような考え方をすることも出来ます。
出来る営業マンは特別な才能を持っているのではなく、単純に”営業の量”と”営業の質”を高めているのです。そして効果のあがり易いお客様を優先的に訪問しているのです。
戦略とは、限りある資源の投資先を決めることであり、
業績の上がらない営業組織は営業の戦略がない、もしくは戦略が実行されていないのです。
参考:マーケティング戦略とは
優先的なお客様を見える化する”ABC分析”
お客様の売上ポテンシャルをABCランクに分類します。
売上ポテンシャルとは”お客様の年間購入量”で、売上金額や購入数量など、
手に入り易いデータでランク分けします。
次に自社のシェアを123ランクに分類します。
シェア率 |
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シェア1番 | シェア2番 |
シェア3番 |
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売上優先 |
売上ランクA |
最重要 |
2番目に重要 攻めの戦略 |
4番目に重要 攻めの戦略 |
売上ランクB | 3番目に重要 育成戦略 |
5番目に重要 攻めの戦略 |
7番目に重要 攻めの戦略 |
|
売上ランクC | 6番目に重要 育成戦略 |
撤退候補 | 撤退 |
売上ランクAやシェア1番は、全体の上位2~3割を目安にして下さい。全体の上位2~3割のランク付で、売上の7~8割を占めているのではないでしょうか。
A:B:Cを2:5:3に分けるといいかと思います。
「売上A・シェア1位」は最重要なお客様となります。ポテンシャルも高く、自社のシェアも高いお客様です。”最重要なお客様”となります。このお客様の戦略は”守り”となります。
次に重要なのは、「売上A・シェア2位」となります。「売上B・シェア1位」とどちらが重要か迷うと思いますが、「売上A・シェア2位」はA1ランク候補となりますのでこちらが重要です。そして戦略は”攻め”となります。A1ランクへの格上げがミッションになります。
次に重要なのが「売上B・シェア1位」。このお客様への戦略は”育成”です。お客様を育てて売上Aランクになって頂きます。
このようにお客様をABCランクに分けて優先順位と戦略をコントロールすることが重要です。
大切なのは、営業本部が勝てる戦略を構築して、それを見える化する。営業部はそれをまじめに実行する。
という仕組みを作り上げることとなります。