接客の質を上げる方法

自己啓発
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接客の質を上げる方法

接客業に携わって方や営業職を行っている方で、最近接客の”質”が下がってきたな。とか営業で結果が残せなくなって来たと感じている方も多く見えられるのではないでしょうか。
その様な場合は、モチベーションも間違いなく下がっております。今回は、誰にでも簡単にモチベーションを上げ、結果も出やすい方法をお教え致します。

ディズニーランドがマニュアルがなくても成功できる理由

お客様に対して感動を提供した数々の逸話を持つディズニーランドは、すでにご存知の方も数多くいるでしょうが、マニュアルの存在しない企業です。
マニュアルでは、あの対応は実現できない、という意見も最もですが、一方で時給およそ1000円程度のアルバイトスタッフがそれを支えているというのは驚くべき事実です。ディズニーランドが現場スタッフに示しているのは“SCSE”という価値基準で、行動基準がそのままの優先順位として業務を考える様な仕組になっております。

“SCSE”とは、

【Safety】  安全な場所、やすらぎを感じる空間を作りだすために、ゲストにとっても、キャストにとっても安全を最優先すること。
【Courtesy】  “すべてのゲストがVIP”との理念に基づき、言葉づかいや対応が丁寧なことはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしをすること。
【Show】 あらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、施設の点検や清掃などを行うほか、キャストも「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じること。
【Efficiency】 安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮することで、効率を高めること。

この頭文字を取っておりますおりますが、入社当時から配属先まで徹底してこのキーワードを学びます。

この優先順位に基づいて、各部門のスタッフは自分たちで考えて行動を決めていきます。
一例ですが、

<清掃部門>
「お客さまがジュースをこぼしたとき、どんな姿勢で拭けば良いのかな?」
「普通に腰をかがめて作業すると、視野が狭くなって危ないかもしれないね。」
「やはり安全性を第一に考えると、立ったまま足で拭く方が良いと思う。視野も確保できるし。」
<お土産ショップ>
「たくさん買ってくれてるお客さまの為に、買い物カゴを設置した方が良いんじゃないかな。」
「でも、混雑してるときは、たくさんのお子さんもいるから、ぶつかる危険があるよね。」
「安全性を考慮すると、買い物カゴは設置しないことにしましょう。」

マニュアル接客は悪なのか?

少し前の話(3年くらい前の話だと記憶していますが)になりますが、こんな話があったのをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。

買出しを頼まれた1人の男性が、あるファーストフードのハンバーガーショップに行きました。

男性:「ハンバーガー10個ください。」
店員:「かしこまりました、ハンバーガー10個ですね。店内でお召し上がりになりますか?」
男性:「テイクアウトで。」(1人で来てるんだから、テイクアウトだってわかるでしょう…)

ということで、実際にこの話が事実なのか否かはわかりませんが、「マニュアル接客の弊害」といったテーマでマスコミにも多く取り上げられていました。

では、本当に“マニュアル”が悪いのでしょうか?

チェーン展開している飲食店の多くが、お客様に何を約束しているのかを考えて見て下さい。

<日本全国どこの店舗で食べても「同じ味」であり、「同じ価格」であること>

これがブランド力でもあり、大きな安心感につながっています。また、ファーストフードと呼ばれる業態ですから、「スピード」(注文して商品が出てくるまで)は不可欠な要素となります。つまり、お客様との約束を果たすために大切なことは、「業務の卓越性」(オペレーショナルエクセレンス)を発揮することであり、このような業態の企業にとってマニュアルは必要不可欠な経営ツールだという主張のほうが正しいように思えます。

あえて誤解を恐れずに極論を言えば、ハンバーガー10個を注文した1人のお客様に対して「店内で…」と対応したところで、あるいは、たとえスタッフの笑顔が無かったとしても、予想外の事が起きている訳ですから、それだけでお客様を失ってしまうほどの悪影響は受けないのではないかと思います。

では、なぜマニュアル接客はからかわれたり、批判されることが多いのでしょうか?

マニュアルの問題点は従業員の“思考停止”を導くこと

マニュアルを導入すること自体が悪いわけではありません。多くの場合、マニュアルは「当然」レベルを達成するための最低基準に過ぎないのですが、それを認識せずに「マニュアル通りやれば大丈夫」という間違った運用をしてしまうことが問題なのです。マニュアルは飽くまで、最低レベルの基準であって、最高レベルの基準ではない事を理解しましょう。

ここでマニュアルでの“間違った運用”というのは、「顧客との関係構築」をお客様との約束にすべき業態の企業が接客対応部分をマニュアル化してしまうことを指しています。簡単に申しますと、人と人との触れ合いの所ですね。

例を挙げてみましょう。

<自動車ディーラーのケース>
自動車ディーラーにおいては、既存顧客のフォローを重視するあまり、新規来店客に対する対応が十分できていない状況が見受けられ、マニュアル化されるケースが多くみられます。

新規来店客からの受注フローを整理すると以下のようになります。店舗あるいは個人でバラつきが出るのは「アンケート獲得/来店」率の部分で、それ以降の「HOT/アンケート獲得」率、「成約/HOT」率は比較的安定しています。つまり、販売台数は「アンケート獲得/来店」率をいかに高めるかが非常に重要な要素となるのです。

※HOT客とは見込み客の事で、上記の説明で、アンケート記入の増加と来店回数か来店人数を増やせば、
 成約に繋がり易いと言う事です。

実際、マニュアル通りの丁寧な挨拶「いらっしゃいませ」、来店動機を探る「本日はどのようなご用件でお越しいただいたのでしょうか?」という対応をしている店舗ほど「アンケート獲得/来店」率が低いという結果が出ていました。なぜなのか要因を調べてみると、最初の段階での丁寧な対応が逆にお客様の緊張を助長し、「カタログもらったらすぐに出よう」という行動を導いてしまっていたのです。

一方、数字の良い店舗では、「そもそもアンケートを獲得しない限り、営業できる機会が無くなるので何としても獲得しよう」と、マニュアルには捉われずに、お客様の気持ちになってどんな対応をすればお客様がリラックスをし、親近感を持ってもらうことができるか、気持ちよくアンケートにも応じていただけるのかを考え抜いた対応に変えていました。

「お客様の車が駐車場に入ってくる段階で、お店から飛び出していって大きな声で誘導する」誘導が終わったら、「お客様、いらっしゃいませ。お約束であれば担当を呼んできますので、お名前を頂戴できますか」といった声掛けをしながら、初期段階でなるべく多くの会話をする。

といった工夫をすることで、率の低い店舗では50%程度の「アンケート獲得/来店」率を、90%以上という高さまで持っていくことに成功していたのです。

同じような事例は、アパレル業界にもあります。洋服を買いに行く機会があれば、誰でも耳にする言葉として、「いらっしゃいませ。どうぞお試し下さいませ」という決まり文句があるかと思います。皆さんは、いつもどう感じているでしょうか。

自動車ディーラーのような数字をとることは(来店数もかなり多いため)難しいですが、マニュアル的な声掛けやファーストアプローチで、嫌気が差して帰ってしまっているお客様を数多く見かける気がしますし、「自分もそんな経験がある」と思われる方も多いでしょう。

アパレルにおいても、お客様の気持ちになったときに見直すべき対応を考え抜いていくと、様々な改善ポイントが出てきます。

決まり文句をどこかに向かって唱えるのではなくて、個々のお客さまそれぞれに対して「何かお聞きしたいことがあれば何でも尋ねてくださいね」という気持ちを込めながら、それを態度で示しながら声を掛ける。

商品の裏側まで探ってようやく見つかるようなプライスカードでは決して十分とは言えないため、しっかりと目立つところに表記するよう工夫する。

年齢、立ち止まって見ているコーナー、手にとった商品、などから、どんな声を掛けることが自然で、どんな情報を提供することがお客さまの「もっと話聞いてみたい」につながるのか、をスタッフ全員で考え抜いて実践する。

このような工夫の積み重ねが、大きく業績を動かすきっかけになるのです。

すでに申し上げた通り、マニュアルがあることが悪いわけではありません。それによって起こる“思考停止”が問題なのです。「スタッフ同士の私語は慎むこと」とマニュアルにあったときに、単に私語をしないスタッフと、「なぜ私語は慎まなければならないのか」→「私語をするとお客様の印象が悪くなる」→「印象をよくするためにすべき行動は何か」といった流れで考え抜くスタッフでは全くお客様からの印象が異なることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

まとめ

「“脱マニュアル”でお客様に楽しくお買い物をしていただく――」
今回、ディズニーランドと小売店を例に挙げながらご紹介させて頂きました。これを読まれている方は、人事担当であったり、接客担当の方も多く見えられるのではないでしょうか。接客の質が上がらない。気が付けば下がっていると感じている方も多く見えられるかもしれません。ディズニーランドで働くキャストの方々は、本当に素晴らしいです。私も人事部の方とお話をさせて頂いた事がありますが、隠れミッキーを探したりする提案も、すべてキャストの方々から発案されております。では、何が違うのかと言えば、自分の会社や職場が好きかどうかです。自分の仕事に誇りも持ち、好きであれば色々な提案をしてきます。
自分の職場や会社を好きになる方法は、人前で自分の会社や職場の自慢をする事です。これは、非常に効果的ですね。業績が落ちてきている時や、モチベーションが下がっている時は、朝礼などで、全員の前で
「会社の好きな所を3個挙げましょう!」と発言の機会を増やすと、会社を好きになってきます。
是非、行って見て下さい。

小売業と呼ばれる業界に携わっている方々に今一度真剣に取り組んでいただきたいと心から思っています。

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